随分長い間お休みをしてしまいました。申し訳ありません。
また、ぼちぼちとblogを書いてゆきたいと思いますので、よろしくお願いします。

震災とIIJの活動

さて、blogを休んでいた間の出来事ですが、少し震災関係のボランティア活動をやっておりました。(もちろんこれ以外の業務も行っていました)今回は、その件について書いてみたいと思います。

3月11日の地震は未曾有の体験でしたが、幸いにして私個人はほとんど被害を受けませんでした。
しかし、TVの報道やtwitterのTLからは絶え間なく悲惨な状況が伝えられ、被害を受けなかった自分が何かすべきではないか、という焦燥感にも似た気持ちがわき起こりました。
同じような気持ちはIIJの他のスタッフも感じており、ある人が上げた声をきっかけに「自分達にできることを何かしよう」という活動が始まりました。私たちはインターネットやクラウドを提供する事業者ですので、その方面のお手伝いです。

このように、いくつかのお手伝いを実施しました。また、その一部は現在でも継続しています。
ただ、このような活動は昔から計画していたものではありません。具体的に何がどうできるのか、完全に手探りの中で行っていたため、その過程でいくつもの「悩み」に突き当たることになってしまいました。結局その場その場の判断で、できる範囲でよいと思われることを選択していったのですが、活動を始めて2ヶ月以上経った今でも、あの選択で良かったのかと振り返って考え込んでしまうことがあります。

インターネット・クラウド関係では、IIJ以外にも多くの方が支援活動を実施されていました。私たち以外の方も、実は私たちと同じような悩みに突き当たっていたのではないか、そんなことを考えていました。
そこで、震災後に同じような活動をされていた、事業者・ユーザーグループの方にお声がけをして、皆さんがどんなことを考え、どんな選択をされたのかを共有する会を開くことに致しました。

IIJからは、私(堂前)が活動の全般的な悩みについて、川井が技術的な面での取り組みについて発表いたしました。
以下にその時の発表資料を掲載します。

私たち以外にも、さくらインターネット田中様・管様、JAZUG (Japan Windows Azure User Group) 冨田様、JAWS-UG (AWS User Group Japan) 大石様、ソフトバンクモバイル高橋様、TIS内藤様から、それぞれの立場での活動について発表を頂きました。

イベント全体の様子は、以下のインターネット中継のアーカイブや、発表者の方の資料ををご覧下さい

いろいろな気づきがあった会でしたが、いくつか私の心にとまった事を取り上げておこうと思います。

  • 「何ができたか/できなかったか」ではなく「何が役に立ったか」
    技術者としての視点ではなく、被災者側の視点で考えなければならないですね。
  • 多くの人が、勝手ミラーサイトは「手放しで賛同できない」と考えていた
    IIJを含め、いろいろなところで勝手ミラーサイトが提供されていましたが、情報の信頼性・鮮度という点で課題が多かったのも確かです。
    悪意はなくてもデマや偽情報を蔓延させてしまう可能性もあるため、今後の取り組み方には注意が必要だと感じました。
  • インフラ提供は十分すぎた・インフラだけでは使えない
    今回いろいろな事業者が「インフラ」の提供に乗り出しましたが、ある意味飽和気味だったと。一方、現場はインフラだけ渡されても何もできない、もっと直接的な支援や、すぐに使えるパッケージ化が必要だというお話でした。

勉強会の主催側である私自身が、一番勉強させて頂いたという感じでした。
発表頂いた皆様、オーディエンスの皆様、ありがとうございました。

次の災害が発生しないことが一番なのですが、万が一に備えて、今一度考えを整理しておきたいと思います。


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