今回紹介するIIJインターンシッププログラム「神保町ネットワークアカデミー」は、9/12~開催の「コースC」と、10/4~開催の「コースD」、参加受付中です!
インターネット業界体験
夏ですね!社会人にとっては夏休みと言ってもお盆前後に一週間ぐらい休みを取る程度だったりしますが、学生の頃は一~二ヶ月ぐらいの休みがあったりしましたね。そんな折角の長期休暇を有効活用して頂こうと、企業が職場体験プログラムを開催していることがよくあります。そして、IIJでも8年前から「インターネット業界体験」の短期プログラム(インターンシッププログラム)を開催しています。
インターンシップと一口に言っても、各企業によっていろいろな取り組みがあります。中には1ヶ月以上の期間をかけて実際に会社の業務の一部を担って頂くというプログラムもありますが、IIJが開催している「夏季・神保町ネットワークアカデミー」1、略して「夏季・JNA」は、5日間の短期集中・体験型のプログラムです。
JNAでは実際のIIJの業務を担って頂くわけではなく、IIJという会社の中で普段どんなことが行われているのかを体験して頂くことがメインとなっています。期間が短くちょっと物足りないと感じるかも知れませんが、その代わりに参加のハードルは低いと思いますので、会社見学+αぐらいのつもりで参加してもらってもいいんじゃないでしょうか。
JNAのスタッフはIIJの現場エンジニアが担当しているので、その顔を見に来るだけでも面白いのではないかと。給与(報酬)はお出ししませんが、宿泊・交通費は弊社規定に則ってお出しします。
後で詳しく紹介しますが、技術系のコースではインターネットの基礎であるTCP/IPなどの簡単なレクチャーから、実際にルータを使ってのネットワークの構築実技までを5日間で行います。技術的な前提知識は特に不要ですが、技術系はちょっと自信が無い、という方向けに非技術系(管理系)のコースも用意してあります。
IIJ技術研究所のインターンシップ
IIJグループの研究部門であるIIJ技術研究所では、JNAとは別の取り組みとして、インターンシッププログラムを設けています。(2011年度は募集終了)
詳しくはIIJ技術研究所のインターンシップ案内のページをご覧下さい。
ちょっと様子を見てきました
8月22日から、今年のJNA最初のコースが始まっています。どんなプログラムなのか気になったので、ちょっと様子を見せてもらうことにしました。(見せてもらったのは技術系プログラムです)
受講生向けの資料によると、今回は「そもそもインターネットってどんな風にできているのか?」という説明から始まり、IPアドレスとルーティングの講義を受けた後、実際に業務用ルータ(SEIL)を使ったネットワークの構築にチャレンジするようです。なかなか実践的ですね。
私も、技術系プログラム3日目に会場にお邪魔して皆さんの様子を見せて頂きました。
最初は講義の時間です。前日はルータ設定の基礎的な説明と実習があったそうですが、今日はダイナミックルーティングに取り組むということです。まずは講師役の伊藤直史(いとうなおし)さんからルーティングとはなんぞや?という説明と、各種ルーティングプロトコルについての説明がありました。RIP、OSPF、BGP……BGPの説明が出てくるあたりは、ISPらしいといえばらしいですね。(BGPはISP同士の経路交換などに使われるプロトコルで、企業内のLANやWANでは普通使われません)皆さん真剣に説明を聞いてらっしゃいます。
講義を聞いた後には「本日の課題」が示されて、早速実習です。会場に用意されたルータ(SEIL)の設定を行うのですが、単に設定を行って終わり、と言うわけではないようです。
今回のJNAのプログラムでは、「架空のお客様からの依頼を受けてネットワークを構築する」というシナリオが用意されています。受講生が3人一組になったグループ内を作り、プロジェクトマネージャなど役割を分担します。そして「お客様」役のIIJ社員から既存ネットワークの状況をヒアリングし、それを元に作業を行う、という手順です。
各グループの代表がヒアリングしているところを横で見ていましたが、皆さんメモを見ながら10分以上も質問していました。「お客様」役のIIJ社員に聞いたところ、「答えやヒントを教えるのではなく、実習ネットワークの現状を伝えるだけ」「具体的でない質問であれば、何が聞きたいかを問い直す」と、なかなかのスパルタっぷりです。もちろん困った時は講師役がフォローするので、行き詰まってしまうような心配はありません。
ヒアリングの後はグループに戻って設計と構築です。まずは必要なケーブルをピックアップしてネットワークを繋いでいきますが、どうもクロスケーブルとストレートケーブルが混在しているようで、受講生の皆さんケーブルの結線をまじまじと見つめていました。現場ではそんな些細な取り違えで「繋がらない!」なんてことになる場合もありますので、焦らず確実にやっていきましょう。
そして設計の準備ができたグループから、シリアルコンソールを繋いでルータの設定に取りかかってます。ルータのマニュアルとにらめっこ。三人で一つのターミナルを覗き込みながら、コマンドをぽちぽちやっているようです。時にはグループの垣根を越えて「繋がった?」「繋がってない」などと声を掛け合う様子も見られました。講義を聴いている時は、みんなおとなしいな、と思いましたが、さすがに実習に入ると活発です。余裕のある人は、IIJ社員を捕まえて実習と関係の無い話を聞いたりもしているようで、なかなか良いことです。
そして全グループが設定完了したところで、各グループから発表です。どんなことをヒアリングして、何がわかって、困ったのはどんなところかを発表しました。また、それに対して「お客様」役のIIJ社員から、「ヒアリングすべき項目は事前にまとめよう」とか「進捗報告を忘れないように」と指摘が入っています。
短時間で限られた課題ではありましたが、こういうロールプレイはなかなか面白いですね。最近は業務用機器でも中古で安価に入手できますし、ソフトウェアルータであれば無料で入手もできるので、実験だけなら自分一人でもあれこれやってみることは可能です。しかし、仕事として取り組む場合は、それがお客様の為であれ、自社のためであれ「目的」をしっかり確認して、「チーム」で取り組み、結局どうなったかの「結果」を提示しなければなりません。そういう「プロジェクト」に参加するという体験を通して、将来の業務の様子を感じて頂けたのであれば、このプログラムに参加した甲斐があったのではないかと思います。
受講生の皆さんに聞いてみました
さて、そんなJNAを受講している皆さんですが、IIJについてどんな印象を持ってるのかなーと気になったので、人事部の方にお願いしてJNA初日に、受講生の皆さんがIIJにどんな印象をもっているのか、インタビューしてもらいました。2
インターンに応募する前からIIJの事を知っていましたか?
全参加者25名中3名
IIJについてのざっくばらんな印象
- あまり知られていない
- 昔からクラウドをやっていて4、しかも東証1部上場なのにあまり知られていない
- 一般にはあまり知られていないけど、企業向けのビジネスだから問題ない?
- URLの末尾が”ad.jp”だったのが印象的
- 民間初のISPなのに、社長(鈴木幸一)が文系なのが驚き
- ITインフラ、環境を整備する会社
- 社員が私服だし、自由なイメージ。働きやすそう。環境がよさそう。
- IPv6の方式を推し進めている。
ああ、(やっぱり)あんまり知られてない(汗)でも、知らない会社なのに、こうやってインターンシッププログラムにチャレンジして頂けたのは、嬉しいですね。これがJNAの5日間を過ごした後にどんな風に変わっているのかも興味深いです。
「インターネットのどこかで」お待ちしています
ということで、JNA「神保町ネットワークアカデミー」の紹介でした。
このプログラムは就職活動とはリンクしていませんので、受講生の中にはこのあとIIJに就職を希望される方も、そうではなくて、別の会社を希望される方もいらっしゃると思います。折角こうしてご縁ができたので、IIJを希望してもらえれば嬉しいとは思いますが……ま、そんなに気負わなくてもいいですよね。気軽に参加してみて「インターネット屋さんってこんな事やってるんだ」というのを知ってもらえればいいんじゃないかと思います。
そして、いつの日か、インターネットのどこかでお目にかかれることができれば、それはとっても嬉しいなって、思います。