IIJでは広報誌「IIJ.news」を隔月で発行しています。本blogエントリは、IIJ.news連載コラム「インターネット・トリビア」を転載したものです。IIJ.newsはご希望者へ郵送でお送りしています。また、IIJ WebではPDF版をご覧頂けます

IIJ.news vol.126 もくじ

IIJ.news vol.126

  • ぷろろーぐ「免疫力」
  • [特別対談] 人となり
  • Topics 導入から活用へ ~エンタープライズクラウド最新事情
    • [座談会]

      IIJ × マイクロソフト これからクラウドはどう変わるのか?~クラウド同士がつながることで見えてくる世界

    • クラウドの設計をパターン化する
    • クラウド活用のトレンド
    • SAPシステムのクラウド化に向けて
    • 海外でのクラウド運用
  • 連載
    • 人と空気とインターネット 「インターネット時代の”手仕事”のススメ」
    • インターネット・トリビア 「第三のスマホOS とFirefox OS」 ※この記事で掲載
    • グローバル・トレンド「シンガポールの個人情報保護法」

インターネット・トリビア 「第三のスマホ OS と Firefox OS」

皆さんがお持ちのスマートフォン、たくさんのメーカから様々な機種が発売されていますが、そのなかに入っているソフトウェア「OS」の種類は多くありません。Appleが開発する「iOS」と、Googleが開発する「Android」です。

Apple社はソフトウェアの開発とスマートフォン本体の開発をセットで行なっており、iPhoneとタブレットのiPadでのみiOSが利用できます。一方のGoogleは、開発したAndroidを様々なメーカに提供し、一部改変も認めています。このため、Androidを搭載したスマートフォンのなかには、見た目がずいぶんと変わっているものもあります。

現在、世界のスマートフォンはこの2種類のOSが大きなシェアを占めていますが、そこに新しい風を吹き込もうとしている陣営がいくつかあります。こうした「第三のスマホOS」を目指している陣営のなかで、注目を浴びているのが「FirefoxOS」です。

FirefoxOSのスマートフォンの見た目は、他のスマートフォンと変わりありません。大きなタッチパネル付きの液晶があり、そこにはアプリのアイコンが並んでいます。TwitterやLINEのアプリもあり、その点では他のスマートフォンと同様です。

では、FirefoxOSはiOSやAndroidと何が違うかというと、アプリを開発するためのプログラミング言語が異なるのです。

Firefoxというと、パソコンで使うWEBブラウザを思い浮かべる方もいらっしゃると思います。その連想は間違いではなく、FirefoxOSは、WEBブラウザのFirefoxの機能をもとに作られています。そのため、スマホのアプリも、WEBブラウザで見るコンテンツと同じように、JavaScriptとHTML5を使って開発します。また、アプリ開発時に動作テストを行なうためのツールも、WEBブラウザであるFirefoxに組み込んで使います。

このように、FirefoxOSは、ある程度普及し、標準化されたものをうまく活用して作られています。これはiOSのように、アプリ開発のために新しいプログラミング言語まで開発してしまうようなやり方とはずいぶんと異なります。

また、FirefoxOSのもう一つの特徴として「小回りの良さ」が挙げられます。iOSやAndroidは競い合うように多機能化が進んだため、高い処理能力や大きなメモリが必要となります。一方、FirefoxOSはスリムな構造をしているため、それほど高い処理能力は要りません。そのため、新興国で発売される低価格のスマートフォンのOSとして使われることもあります。

さらに、小回りの良さは、FirefoxOSの用途をスマートフォン以外に広げることにもつながっています。その一つがネット家電です。

ネット家電は、インターネットと連動するといっても、あくまで家電の部分がメインです。ですから、インターネット連動部分にあまり大きなコストを割けず、安価なコンピュータしか搭載できません。従来はそういった「組み込み」用に特化したOSが使われていたのですが、こうしたOSは柔軟な通信や見た目の良い画面を作るのが苦手でした。そこで、組み込みOSに代わり、比較的小回りのきくFirefoxOSを使おうという動きが進んでいるのです。

先ほど紹介したとおり、FirefoxOSには「すでに普及した技術」であるJavaScriptやHTMLが使われています。そして、もとになっているのはWEBブラウザですので、通信は得意ですし、見た目の良い画面を作ることにも長けています。

このように、パソコンやスマホから離れた機器にHTMLのようなWEB技術を持ち込むことをWoT(WEB of Things)と呼ぶこともあります。

FirefoxOSは、単にスマホのOSだけでなく幅広い展開を視野に入れて開発されています。