毎年恒例の行事となっていますが、今秋も新しいiOSの公開、新しいiPhoneの発売が行われます。話題の新製品だけに皆さんも興味津々かと思います。私たちIIJのメンバーも、この時期は落ち着かない日々を過ごしています。

IIJmioモバイルサービスでもiPhone・iPadのご利用者が多く、「早く新しいOSが使いたい」「新製品を買いたい」という期待をお持ちの一方、「アップデートでなにか不具合が出たらどうしよう」「新製品を買ってもIIJmioを使えるの?」という心配も感じていらっしゃるかと思います。IIJでは新しいiOS・iPhoneについて順次動作確認を行っていきますので、その方針についてご案内します。

なお、動作確認はiOSの正式版公開後・iPhone発売後に順次実施します。確認は対象機種と取り付けるSIMの組み合わせごとに行っていますが、近年iPhone・iPadの種類も増え、また、eSIMなど組み合わせるSIMの種類も増えているため、組み合わせが膨大になっています。確認には長い時間がかかるため、ある程度の確認ができた段階で結果を順次お知らせします。お知らせはIIJmioのTwitterアカウントで行いますので、ご興味がある方はこちらをフォロー下さい。なお、組み合わせによってはお知らせが遅くなる可能性がありますが、どうかご了承下さい。

IIJmio 公式Twitterアカウント @iijmio


以下、今秋の動向についてご紹介します。

また、この記事末尾に、iOSアップデート後に通信が安定しない場合の対処法をご紹介してますので、こちらも参考にして下さい。

新しいiOS・iPadOSの公開

これまでに発売されたiPhone・iPadについて、新しい機能やデザインが提供されます。Appleの指定する時刻以降、iPhone・iPadの画面に「iOS(iPadOS)のアップデート」が表示され、指示に従うとOSのダウンロードが行われて新しいOSへの入れ替えが行われます。

従来、iPhoneとiPadは同じ「iOS」で動作していた1のですが、今回からiPad用のOSが「iPadOS」として分離されました。新しいOSは、iPhoneが「iOS 13」、iPad用が「iPadOS 13」となります。それぞれの新機能などはスマホ・ガジェット系のニュースサイトなどをご覧下さい。

過去、iOSのアップデートによってIIJmio(MVNO全般)のSIMカードの利用に支障が出たことがありましたが、近年はそういったトラブルは起こっていないように思います。

ですが、毎年のiOSアップデートの際に「アップデート後通信が安定しない」というご相談をいただいています。IIJにあるiPhone・iPadで同様の現象が再現しないことが多く、原因は分かっていないのですが、経験的に把握している回復方法についてこの記事末尾でご紹介しています。

また、iPhone XS・XRでご利用のeSIMはiOSのアップデートでもそのまま利用できると考えていますが、確認を行う予定です。

iOS 13・iPad OS 13公開時期・対応機種

iOS 13
  • 提供開始: 2019年9月19日 (日本時間9月20日)
  • 対象機種: 6s, 6s Plus, SE, 7, 7 Plus, 8, 8 Plus, X, XR, XS, XS Max
  • 備考: 9月30日(日本時間10月1日)に、iOS 13.1が公開される見込み
iPadOS 13
  • 提供開始: 2019年9月30日 (日本時間10月1日)
  • 対象機種: 12.9インチiPad Pro, 11インチiPad Pro, 10.5インチiPad Pro, 9.7インチiPad Pro, iPad(第6世代), iPad(第5世代), iPad mini(第5世代), iPad mini 4, iPad Air(第3世代), iPad Air 2

iPhone・iPad新製品

既存機種だけでなく、iPhone・iPadの新機種も発売されます。新機種にはeSIMが搭載され、IIJmioのeSIMもご利用いただけるものと考えています。こちらについても本体発売後に確認を行いたいと思います。

新しいiPhoneを購入された場合、利用中のiPhoneからデータの移行を行われる方も多いかと思います。eSIMをご利用の場合のデータ移行について、この記事の後半にご紹介を掲載しています。

iPhone・iPad新製品発売スケジュール

iPhone新製品
  • 提供開始: 2019年9月19日 (日本時間9月20日)
  • 対象機種: iPhone 11, 11 Pro, 11 Pro Max
  • 備考: 出荷時にはiOS 13が搭載され、9月30日(日本時間10月1日)に、iOS 13.1にアップデートされる見込み
iPad新製品
  • 提供開始: 2019年9月30日 (日本時間10月1日)
  • 対象機種:iPad(第7世代)

Apple Watchについて

この秋には、新しいApple Watch(第5世代)も発売されます。Apple Watchは第3世代の頃より、「GPS+Cellularモデル」としてApple Watch単独でLTEでの通信・通話ができるモデルが提供されています。GPS+CellularモデルにはeSIMが使われているため、「IIJmioのeSIMでApple Watchが利用できないのか?」というご質問、ご期待を度々いただいています。

たしかにApple WatchにはeSIMが使われているのですが、eSIMにデータを書き込む部分がApple独自仕様(非公開)であり、業界標準に完全に準拠しているわけではありません。IIJのeSIMは業界標準の技術(GSMA eSIM コンシューマーモデル)には対応していますが、技術情報が非公開のApple独自仕様には対応することができません。そのため、IIJmioのeSIMをApple Watchで利用することはできません。

これは、IIJが設備をどうにかすれば対応できるわけではなく、Appleの方針転換(情報公開)が必要だと考えています。ご期待にお応えできない理由をご承知下さい。

eSIMをお使いのiPhoneのデータ移行について

iOSでは、古いiPhoneから新しいiPhoneへアプリやデータを移行する機能があります。

  • パソコンにインストールしたiTunesに古いiPhoneのバックアップをとり、新しいiPhoneにバックアップを復元する方法
  • iCloudに古いiPhoneのバックアップをとり、新しいiPhoneにバックアップを復元する方法
  • 古いiPhoneから新しいiPhoneに直接データを転送する方法 (iOS 12.4以降で利用可能)

古いiPhoneでeSIMを利用していた場合、いずれの方法でもeSIMは新しいiPhoneにコピーされません新しいiPhoneに改めてeSIMをダウンロードする必要があります。(iTunes、iCloudのバックアップではeSIMのプロファイルはバックアップされません。また、ワイヤレスデータ転送ではeSIMのプロファイルは転送されません)

IIJmioではeSIMを再ダウンロードする為には、eSIMの再発行が必要になります。(QRコードの再利用はできません)eSIMの再発行には手数料(2000円)が発生しますが、2019年9月30日まではキャンペーンにて再発行手数料が0円となっています。

iOSアップデート後、通信が安定しない場合に試していただきたいこと

今までのiOSアップデートの際にも、IIJの手元にあるiPhone・iPadでは正常に動作しているのに、ご利用者のお手元のiPhone・iPadで通信が安定しないというお問い合わせを何件か頂いています。具体的には「LTEで接続されず、3Gで接続されてしまう」「データ通信が行えない」「テザリングが有効にならない」などです。

同じ型番のiPhone・iPadであればIIJの手元にあるものと同じ動作をするはずなのに、どうして特定の端末でそのようなことになるのか、原因はわかっていません。ですが、経験的に以下のような操作を行うと症状が回復するようですので、通信が安定しない場合は是非お試しください。

※上から順番にお試しください。

APN構成プロファイルをインストールし直す

APN構成プロファイル
APN構成プロファイル

現在インストールされているIIJmio用のAPN構成プロファイルをいったん削除し、改めてインストールし直してください。これで症状が改善することがあります。

「設定」→「一般」→「プロファイル」→(構成プロファイルの選択)→「プロファイルの削除」でプロファイルの削除が行えます。


ネットワーク設定をリセット

設定のリセット
設定のリセット

APN構成プロファイルのインストールし直しでも改善しない場合は、iOSのネットワーク設定を消去します。この操作を行うと、Wi-Fiの設定やテザリング、VPNの設定がクリアされますのでご注意ください。(再設定のためにSSIDやWi-Fiのパスワードを確認しておいてください)

「設定」→「一般」→「リセット」→「ネットワーク設定をリセット」でリセットが行えます。

すべてのコンテンツと設定を消去

どうしても症状が改善しない場合の対応方法です。

この操作を行うと、iPhone・iPadに保存されている写真やメールなどすべてのデータが削除されます。かならず事前にiTunesやiCloudにバックアップを取ってください。「すべてのコンテンツと設定を消去」を行うと、eSIMも削除されます。なお、eSIMはiTunlesやiCloudでバックアップはできません。(後述)iPhone・iPadの設定がすべてクリアされますので、設定消去後は再度APN構成プロファイルのインストールが必要になります。

「設定」→「一般」→「リセット」→「すべてのコンテンツと設定を消去」でリセットが行えます。

「すべてのコンテンツと設定を消去」を行った後は、iTunes・iCloudのバックアップの復元をせずに、IIJmioのAPN構成プロファイルのインストールを行い、通信が正常に行えるかどうか確認してください。その状態でも通信が正常に行えない場合は、iPhone・iPad本体の問題の可能性があります。

「すべてのコンテンツと設定を消去」を行い、IIJmioのAPN構成プロファイルをインストールした状態で通信が正常に行えた場合は、iTunes・iCloudからバックアップを復元してください。この作業で症状が回復する可能性があります。もし、バックアップを復元すると再び通信に問題が発生するようであれば、バックアップの中に通信にトラブルを起こす原因が含まれている可能性があります。その場合は、「すべてのコンテンツと設定を消去」した状態から、バックアップを復元せずに改めてアプリのインストールなどを行ってご利用ください。(写真などは別途コピーし直してください)

設定リセットの際のeSIMの扱いについて

eSIMの扱い
eSIMの扱い

eSIMご利用の方はご注意下さい。

「設定」→「一般」→「リセット」→「すべてのコンテンツと設定を消去」でリセットを行った場合、iPhone・iPadに保存されているeSIMも削除されます。また、eSIMはiTunesやiCloudでバックアップが行えません。

eSIMを残したままリセットを行う場合は、「設定」→「一般」→「リセット」→「モバイル通信プランを残しすべて消去」を実行して下さい。

IIJmioが発行したeSIMを削除してしまった場合、eSIMの再発行が必要になります。(QRコードの再利用はできません)eSIMの再発行には手数料(2000円)が発生しますが、2019年9月30日まではキャンペーンにて再発行手数料が0円となっています。

  1. 同じiOSと言っても細かいところで機能が結構違いましたが… []