もっと簡単にIPv6を使いたい!
前回は「今日からv6生活(家庭内LAN編)」と題して、家庭内LANを丸ごとIPv6にするための方法を紹介しました。今回は、LAN丸ごとではなくPC1台だけで、もっともっと簡単にIPv6を使う方法を紹介しましょう。
実は、前回の記事へのtwitterの反応で「めんどくさそう」という感想を頂いてしまいました。本来の使い方ならそんなめんどくさくないんです。あれはblogネタと言うことで、ちょっとひねった使い方を提案紹介したんで……ということで、今回は何のひねりもなく、ストレートな使い方です。
- 家庭内LAN丸ごとIPv6化したい(ちょっと面倒) → 今日からv6生活(家庭内LAN編)をご覧ください
- PC1台でいいから手軽にIPv6を使いたい(簡単)→ この記事をご覧ください
用意するもの
パソコン
対応するPCは、(公式には)Windows7とWindows Vistaです。MacOS Xでも接続自体は可能ですが、公式な説明書は用意していません。すみません。
ブロードバンドルータ
最近はほとんどの家庭でブロードバンドルータを使っているのではないでしょうか?今まで使っているルータそのままで大丈夫ですが、そのルータが「VPNパススルー対応」かどうかは確認しておいてください。(ブロードバンドルーターを使わずに、フレッツ接続ツールなどを使っている場合は、気にしなくてOKです)
IIJのインターネット接続サービスと対応するフレッツ回線
IIJが提供するIPv6仮想アクセスは、従来からあるIPv4でのインターネット接続サービスを契約すると使える、無料のオプションです。ですので、この機会に是非IIJの接続サービスをご検討ください :-)
サービス名 | 対応回線 | 月額費用1 |
---|---|---|
IIJ4U+フレッツ接続オプション | フレッツADSL | 2,310円~ |
Bフレッツ/フレッツ光ネクスト | 2,940円~ | |
IIJmio FiberAccess/DF | Bフレッツ/フレッツ光ネクスト | 2,100円2 |
IIJmio DSL/DF | フレッツADSL | 1,470円 |
IIJmio 高速モバイル/EM | IIJモバイル | 3,980円~ |
上記の対応サービス一覧の中に「IIJmio 高速モバイル/EM」が含まれています。そうです、モバイル接続からでもIPv6が使えるというのが、ちょっとしたアドバンテージかもしれません。
ここには書きませんでしたが、中部地方の方はアクセスコミュファの回線も使えます。あと、モバイル接続はwillcomでもOKですよ。さすがにもう使っている人はほとんどいらっしゃらないと思いますが、アナログモデムのダイヤルアップでも対応していることは対応しています。
ということで、IPv6を使い始めるのに特別なものは不要です。基本的に今までのインターネットで使っていたものを、そのまま使い回せばOKです。
今すぐ家庭でIPv6を使うための7つのステップ
必要なものがそろったところで、設定を行いましょう。
IPv6仮想アクセスは、従来のIPv4での接続ができていることが前提ですので、まずはその設定を行ってください。これは、今まで通りなので特に紹介することないですよね?すでにIIJの接続サービスを使っている方は、そのままで問題ありません。
IPv4でインターネットに接続ができるようになったら、次はIPv6仮想アクセスの設定です。以下、Windows7での画面を紹介しますが、Vistaでも設定する内容は同様です。
- まず、画面右下のネットワークのアイコンをクリックして…
- 「ネットワークと共有センター」を開きます
- 「新しいネットワークのセットアップ」をクリックして…
- 「職場へ接続します」を選びます3
- インターネット接続(VPN)を使用します」を選んで…
- 画面の通りに入力します
- ここで、IIJ接続サービスのアカウントとパスワードを入力
はい、これでおしまい。簡単ですよね?
最後の「接続」ボタンをクリックすれば、あなたのパソコンもIPv6ネットワークに参加です。
おきまりですが、IIJのWebサイトにアクセスして、IPv6でアクセスできているかどうか確認してみましょう。(ブラウザのキャッシュに残っている可能性があるので、何度かリロードしてみてくださいね)
IPv4枯渇の先に
先日の記事を掲載した直後、IPv4アドレスを管理している団体から、最後のIPv4アドレスの分配が行われました。以前にも書いたとおり、これが「インターネットの終了」を意味するものではありません。ですが、今まで以上にIPv6への動きが加速する事になるでしょう。
とはいえ、世界のほとんどはまだIPv4のままです。IPv6への移行は世界中の誰もが初めて迎えるイベントで、その影響を完全に把握し切れているわけではありません。
本当にIPv6への移行が行えるのか?それについての社会的実験として、世界中である日を決めて、IPv6でのサービス提供の実験をしてみようという「World IPv6 Day」が企画されています。
World IPv6 Day
サービスの提供者が一斉にある1日(24時間)だけ自社のサービスをIPv6対応にして、影響を探ってみようという試みです。参加はそれぞれの事業者や個人が自主的に決めます。主にコンテンツ事業者の参加を期待していますが、何ら限定はありません。初回は2011年6月8日0時UTC(日本時間で午前9時)から24時間を予定しています。
(下記、有志による日本語情報より引用)
- World IPv6 DayInternet Society (英語)
- World IPv6 Day有志による日本語情報
よくIPv6の普及はサービスの提供と、利用者の増加の卵と鶏の関係だと言われています。「World IPv6 Day」は、その関係を突き動かす、最初の一歩になるのかもしれません。これは、サービスを提供する事業者だけでなく、家庭でIPv6を使う利用者が居て、初めて意味を持つ社会実験なのです。
この日に向けて、いろいろな事業者からIPv6対応サービスが発表されると思います。IIJのIPv6仮想アクセスだけでなく、他のサービスでもかまいません。あなたがIPv6に対応することで、IPv6インターネットの世界が広がるのです。
6月に向けて、一緒にIPv6の準備を始めましょう!